鉄道開業150年 JR東日本パスとは
1872年10月14日 現在の新橋〜横浜間で日本初の鉄道が開業しました。
そこから150年経った2022年の5月10日
鉄道ファンや一般人が震撼するニュースが報告されました。
それはJR東日本管内の新幹線・特急の自由席が連続する3日間で乗り放題の
鉄道開業150年 JR東日本パス(以下、東日本パス)が10月に発売されることです。
JR東日本管内の新幹線・特急が乗り放題なのは今は亡き、2009年度まで発売していた三連休パスの効力と同じです。(当時は八戸〜新青森が未開通)
JR東日本管内の特急・新幹線が乗り放題なのは2011年の6月、7月に発売された東日本大震災の復興推進キャンペーンとして発売されたJR東日本パス以来なので実に11年ぶりの復活となりました。
2011年は北陸新幹線が長野より先まで開通していなかったので、
新幹線が整備されたJR東日本では初めての特急・新幹線乗り放題のきっぷ
になります。
私、筆者ゆうひも含めてJR東日本に乗り放題できるというバリューは初めてでとても魅力的だなとリリース発表時はそう思いました。
筆者ゆうひのJR東日本パスの用途
さて、特急や新幹線が乗り放題の東日本パスをどう使おうかとリリース発表された時、考えました。
遠方の北東北の鉄道路線を乗りつぶす?
いや…もうすでに完乗に近いほど乗ってる
北東北を観光してみる?
いや…
岩手は1年前に行ったし…
なんなら秋田は新幹線Year2022のJRE特典チケットで旅してから1ヶ月も経ってない…
ならこの切符でしかなし得ないこと…
そうだ!新幹線に乗りまくろう!
そんで降りたことない新幹線駅に降りてみよう!
ということで東北新幹線と北陸新幹線の駅 全て訪問するという計画を立てました。
そちらの詳しいレポートはこちら↓
北陸新幹線(JR東日本区間) 全駅訪問
東北新幹線 東京~仙台 全駅訪問
ということで東日本パスでしか成し得ないこととして
新幹線に乗りまくって新幹線駅に降りまくるのが
東日本パスを一番活用した使い方だと思いました。
この手の切符は元をとろうと意識してろくに観光もせず、忙しない旅になるというのを2021年に発売されたどこでもきっぷで学んだので乗り鉄メインに徹しました。
現に117,291円分乗り倒しました。(かと言って切符がなかったら同じことするかと言われれば確実にNO!と答えますけど(笑))
このように東日本パスをエンジョイしたかに思われますがその裏で大変なことが起きていました…
混雑が酷すぎる…
いざっ!利用期間が始まって蓋を開けてみるとそれは地獄絵図で阿鼻叫喚するほどのものでした。
宿は軒並み満室、新幹線なのに満員電車並みの混雑
そしてわちゃわちゃと移動なさる鉄道マニアの皆様とあまり心安らかに移動できなかったほうが多かったです。
あまりに混雑具合に
・混雑している!と文句をブーたれている者
・北東北に赴き、1、2両編成の列車にすし詰めになることに絶望した者
・自宅でゆったりとTwitterで東日本パスと検索をかけて高みの見物をする者
と様々な見えない心理戦が繰り広げられていました。
筆者ゆうひが東日本パスを利用したのは10月22~24日で先陣を切っていった先輩方の実況ツイートを見て、混雑に遭わない方法を模索してみたりしましたが焼け石に水で結局は混雑に巻き込まれてしまいました。
日曜の夕方の仙台駅上りホームの様子 繁忙期ではないですが繁忙期並みの混雑です。
JR管内が乗り放題のきっぷは何度も発売されてきていますが
一体全体なぜ今回の東日本パスでこんなにもひどい混雑が起きてしまったのか考察してみました。
なぜ混雑が起きた?
利用期間が14日間と短すぎた
東日本パスが利用できる期間は14日間とどこでもきっぷやみんなの九州きっぷなど各社の乗り放題切符と比べて利用期間がかなり短く設定されていました。
お勤めの人になると3日間連続で使うとなると金・土・日か土・日・月がだいたいのパターンです。
(私、筆者ゆうひは土・日・月で使わせてもらいました)
2022年の10月14日から27日までなので週末は15、16と22、23の2つしかありません。
なのでたった2回の休日にドッと人が押し寄せてきたので混雑の原因になったようです。
だからと言って平日は空いていたのか?
というとそうでもなく速達列車のはやぶさ・こまちは常に満席をたたき出していたようです。
その理由の考察は後述するとして
JR西日本が発売していたどこでもきっぷやJR九州のみんなの九州きっぷは利用期間が
3ヶ月とゆったりめに設定されていたので利用客の分散ができていたようです。
2021年にどこでもきっぷを利用させてもらいましたがめっちゃくちゃ混雑しているという印象はなかったので
東日本パスも12月末くらいまで発売していたら、それほど混雑もせず切符のリピーターも多くいたのではないか?と思います。
全国旅行支援の始動とモロかぶりした
【山形】「全国旅行支援」まもなく1カ月・旅行会社“複雑さ”に悲鳴 #FNNプライムオンライン #さくらんぼテレビ https://t.co/zlTy29D5zp
— FNNプライムオンライン (@FNN_News) November 9, 2022
10/11から全国旅行支援が全国各地でスタートしました。
これの立ち上がりと東日本パスの利用期間がモロ被りしてしまい、混雑が激しくなったと考えられます。
安く東北へ移動できる東日本パスと安く宿に宿泊できる全国旅行支援との組み合わせが、普段旅行をしない人たちに刺さったみたく皆、いざっ!東北へ!という勢いで東北へ行ったみたいで、東北(特に北東北の宿が至る所で満室になるという事態になりました。)
やはり旅行をする上でコストがかからないというのは魅力ですね
筆者ゆうひも可能ならタダで旅したいですもん
首都圏に住んでいる人には使い勝手がよかった
2021年に発売されたどこでもきっぷはJR西日本管内が乗り放題のきっぷで京阪神に住む人にとっては使い勝手が良いですが首都圏に住む人にとってはJR西日本管内の駅まで移動するコストがかかります。
その点、東日本パスはJR東日本管内が乗り放題なので首都圏に住む人にとって使い勝手が良いです。
人口の観点から考えると京阪神の人口は2000万人弱なのに対して首都圏の人口は約4400万人います。
そりゃ日本の人口の1/3が密集いて東日本パスを利用するのにほぼ0コストだとするとあの盛況っぷりも頷けます。
Twitterで検索をかけてみるとJR東日本管内以外の地域に住んでいる人の利用が少ないように見えましたので、東日本パスを利用した人はほぼほぼ首都圏もしくは東日本の人なんじゃないかと思います。
やはり首都圏の一極集中は恐ろしい…
新幹線の自由席が案外少なかった
特急と新幹線に乗り放題と言っても、自由席が乗り放題なわけで指定席は4回までしか乗れません。
そしてはやぶさとかあずさをはじめとするJR東日本の新幹線・特急は全車指定席のものが多いです。
自由席があったとしてもやまびこだと10両編成のうちの3、4両しか自由席がありません。
しかも東北新幹線の大半を占めるE5系の10両編成だと
自由席 214席
指定席 445席
グリーン車 55席
グランクラス 18席
このような座席の比率になります。
自由席は指定席に比べて半分以下ありません。しかも先頭車両の座席は29席しかありません。
なので東日本パスで新幹線に乗りまくろうとするなら当然、自由席がメインになってきます。
1編成 214席しかない自由席を大量の東日本パスユーザで椅子取りゲームをしなければなりません。
当然、椅子取りゲームに負けるとデッキにあぶれるしかないので新幹線なのに満員電車並みのすし詰め状態になってしまいます。
乗り放題とはいえ、自由席の数が少ないのでゆったりと移動を楽しめないというのがゲームバランスよく考えられてんなぁと思います。
筆者ゆうひも東北新幹線は半分以上立ってたような気がします(笑)
現状、北東北のお得なきっぷが希薄で北東北へのロマンを駆り立てた
首都圏から福島・宮城・山形に移動するお得なきっぷとして週末パスが通年発売されています。
週末パスは、今回の東日本パスと比べると特急・新幹線は運賃だけ有効で別途、特急券を購入しなくてはいけませんが首都圏からの南東北への移動として使い勝手の良い切符だと思います。
それに対して、北東北は青森、岩手、秋田とそれぞれの県の範囲でのフリー切符は存在しますが、首都圏からの広範囲の切符は2022年現在で存在しない状態です。
かつては三連休東日本・函館パスといものが3連休の期間で発売されていましたが2021年度以降は廃止されてしまいました。
なので北東北(青森・秋田・岩手)の首都圏からのお得の切符がなく、北東北に皆さん渇望しているさなかに東日本パスが発売されたもんですから、東北の中で特に北東北の混雑が激しくなったのではないかと思います。
八戸線とか三陸鉄道とか普段では行きにくいところが混雑していた印象でした。
確かに新幹線を定価の運賃を払って北東北とかにわざわざ行ってみたいか?と問われると筆者ゆうひは行く!と答えますが他の人はだったらもう少し足を伸ばして北海道とかに行く!って結論になってしまいそうなイメージです。
東日本パスが盛況だったから、また三連休東日本・函館パスを再販してほしいという淡い期待をしています。
※2023年3月にJR東日本パスが再販されました
不通区間が多すぎて選択肢がなかった
2022年の10月はJR東日本管内で多くの不通区間がありました。
2022年8月豪雨の影響で東北の一部路線が一部不通になったりして移動の選択肢が限られた状況でした。
2022年10月14日~27日の期間で不通だったのは
・陸羽西線 全線 (国道トンネル建設工事で約2年間運休)
・津軽線 蟹田~三厩
・米坂線 今泉~坂町
・磐越西線 喜多方~山都
・五能線 五所川原~岩館
・花輪線 鹿角花輪~大館
が不通になっていました。
東北を東西に移動する路線が何路線かダメになっているので東西に移動したい場合は迂回しなくてはなりません。
なので縦に移動する新幹線が不通区間によってほんの少しだけ混雑してしまったのかもしれません。
代行バスが走ってるとは言え、鉄道に比べたら所要時間が大幅に伸びてしまいますのでこの期間に不通になってしまったのは手痛いですね
やっぱり旅って空いてるときにゆったりとしたいよね
2021年にどこでもきっぷを利用した時にも、うすうす気づいていましたが
筆者ゆうひはあちこちの場所に忙しなく移動して色々楽しむよりも
ひとつの場所に絞ってゆったりとその地域を楽しむ旅のスタイルが
性に合っていると東日本パスを利用して改めて思いました。
繁忙期など人が賑わうときに旅をしたくない人間ですので、空いているときにゆったりと新幹線の座席に座って現地へ移動するのが好きです
朝の満員電車並みに詰め込まれる新幹線に旅情は感じられないので(笑)
もし東日本パスと同じ効力のきっぷを再販するならば、利用期間が長くゆったりと旅ができるようなものにしてほしいと期待しています。
P.S. 2023年3月2日~3月15日にJR東日本パスが再販されることになりました。
またまた利用期間が短いですが、上越新幹線の駅訪問などに活用していきたいです。
青森をゆったりと旅したいです。
竜飛くらいしかまともに行ってない気がする
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