【IT業界の裏側】客先常駐と派遣契約の危険性を現役SEが語ります。

筆者ゆうひの主張

旅に関する記事が当ブログでは多いですが
わたくし、筆者ゆうひ 平日の日中はシステムエンジニア(略してSE)としてお仕事をさせていただいています。

SEとして数年働いてきましたが、IT企業の独特の働き方である客先常駐と派遣契約について苦言を呈していきたいと思います。

客先常駐・派遣契約について

まず、IT業界をあまり知らない人のために客先常駐と派遣契約について説明します。

客先常駐
読んで字のごとくお客さんの会社に常駐することです。
一般的なIT企業は自社で作業するよりもお客さんの会社に行って作業することが多いです。

「常駐」というワードがついていますがずっとその場所にいるの訳ではなく、プロジェクト
あるいは工程が終わったらそこから退いてまた新しい客先に入り作業するの
繰り返しになります。

期間としては数ヶ月な場合もありますし、長ければ数年という場合もあります。

IT業界では、仕事をする場所がころころ変わるので場所の慣れや新たな人間関係の構築したりと結構大変です。

IT業界の契約について
プロジェクトまたはプロジェクトの工程などによってお客さんと結ぶ契約が違ってきます。

IT業界では契約内容は以下の3つに分けられます。
準委任契約
請負契約
派遣契約

準委任契約
ある業務の遂行を委託する契約形態の一つで、特定の成果物を納品することを目的とせず、業務の遂行自体を目的とする契約です。

この契約では、委任された業務を行うことで報酬が支払われ、成果物の完成や成果の達成にかかわらず、業務を遂行することが求められます。

特徴としては
・業務やっていればOK 成果物の納品はマストじゃない
仕事した作業時間だけお金支払われるよ
・業務を行う上では注意しなきゃいけないけど成果の達成はないよ
・業務内容ややり方はフレキシブルに対応できるよ
とこんな感じです。

プロジェクトの工程だと要件定義や基本・詳細設計、システムテストのいわゆる上流工程はこの契約になります。

ちなみに「準」委任契約とありますが委任契約という契約はありません。

請負契約
特定の仕事の完成を目的とする契約形態の一つです。
この契約では、受託者(請負人)が依頼者(注文者)から仕事を引き受け、完成した成果物や仕事の結果を納品することが求められ、完成した仕事の成果に対して報酬が支払われます。

特徴としては
・成果物の納品はマストだよ
成果物が完成しないとお金はもらえないよ
・受託者の裁量で独立して仕事をやっていくよ
とこんな感じです。

プロジェクトの工程だと準委任契約とは逆でプログラムの開発や単体テストなどの下流工程でこの契約は多いです。

派遣契約
派遣会社(派遣元)が自社の従業員を他の企業(派遣先)に派遣し、派遣先の指示の下で業務を遂行させる契約形態です。この契約では、派遣社員は派遣先企業で働きますが、雇用関係は派遣会社と派遣社員の間にあります。

特徴としては
・派遣された社員は派遣先の社員の指示を受けて仕事をするよ
・雇用関係は派遣元の会社でお給料とかは派遣元が支払う
・期間が定まっているけど更新されることもあるよ
・派遣された人の労働条件や業務内容は派遣元と派遣先で協議して決められる
とこんな感じです。

派遣会社とありますが一般的なIT会社でも派遣契約があり
(筆者ゆうひが今、現在行っている仕事も派遣契約ですし)
派遣先の社員さんと一緒に働きます。

派遣契約がどの工程に適しているかは基本的には定まっていません

客先常駐・派遣契約の危険性

客先常駐や各契約について少しは知ってもらえたと思いますので次に客先常駐や派遣契約の危険性について実体験を踏まえてお伝えしたいと思います。

客先常駐の危険性

帰属意識が薄れる
ずっと客先で作業をしていると自社への帰属意識が薄れてきます。
お給料とか福利厚生は自社からですが作業時間や労働環境などは客先のルールに則っていきます。

単純接触効果と似た感じで普段いる客先はよく知っているのですが
月に1度帰社するか分からない自社には段々と愛着がわかなくなっていきます。

会社によっては月に一度 「帰社日」というのを設けて定期的に自社に帰社するように促しています。
帰社日を設けている会社は帰社して何をするのかは私、あんまよくわかっていないですけど

筆者ゆうひも客先常駐になってからめっきり自社への愛着が減ってしまいました。

自社に帰社する用事があると少々億劫にもなってしまうこともあります。

労働条件が常駐先によって異なる
当たり前の話ですが、会社が変われば人もルールも変わります。
プロジェクトが変わる度に、1から人間関係を構築したり、ルールを覚えていかなくてはいけません。

長期的に常駐するなら良いのですが、プロジェクトにいれる期間は短くて数ヶ月なところもあります。

せっかく慣れてきたところでまた他の現場に移動するっていうケースも少なくないです。

コロコロと環境が変わるので、長いスパンで働きたいという人には客先常駐というかIT業界は厳しいのかもしれません。

私は客先常駐はまだ1社目ですので前はあぁだったけど今はこうだったってエピソードは持ち合わせていませんが、環境の変化に弱い生き物ですので
なるべく1つのところに長めには居たいなとは思っています。

孤独を感じる
帰属意識が薄れるの派生で孤独を感じます。
客先に常駐するってことはそこにプロジェクトがあるので自社の社員と一緒に客先へ行く人数は限られます。

客先に行ったら行ったで関わる人は同じプロジェクトのメンバーくらいなものですので、交流できる人が自社で作業している人よりも限られます。

毎日毎日同じメンバーと関わるのは思ったより退屈なもので、目新しさもなく日々が過ぎていきます。

人とは関わってはいるんですけど何故か孤独を感じやすくなるということが起きます。

自社への愛着は薄くなってはいますが、久々に自社の社員と会話する機会があると嬉しくなりますね

培ったスキルが他で活かせない場合がある
仕事のやり方だったり、使うツールは決してメジャーなものばかりではなく、そこでしか使わないような固有の仕事の進め方だったり、ツールもあったりします。

固有のものに慣れてしまうとそこで活躍はできても他の場所では全然スキルが足りなかったりしてしまうのでつぶしが効かなくなります。

COBOLの案件はつぶしが効かないから若手にはやらせたくないからベテラン社員に偏ってしまうという話も耳にしましたし、
実際、筆者ゆうひが今(2024年現在)の現場に入ったときも超固有のローコード開発をやらされて、スキルが身に着かなそうで心配になったこともあります。
(幸い、そのローコード開発してたのは1ヶ月くらいでその後はJavaの改修がメインになりました。)

スキルとかではないですが会社の文化も当たり前ですが違いまして
使っていた用語が独自のもので常駐先にはうまく伝わらなかったなんて話も聞きます。

評価が得にくい
客先にいると自社にいる上司から姿は見えないので報告書とかで常駐先にいる社員の近況を知ったりします。
自社で上司の目の届くとこで働いてる奴と客先で何をやってるかよく分からない奴を評価しろ!って言われたら断然、自社で働いている奴のほうが評価しやすいですよね

なので客先常駐だと自分の思っている評価と上司の評価とのギャップが生まれる可能性があるので評価をガンガンに上げて出世したい!という人は、客先常駐になっても目に見えて分かる評価を達成する必要があります。

筆者ゆうひは評価なんてどうでも良いと思っている奴なのであんまクリティカルには考えていません(笑)

派遣契約の危険性

月の作業時間が指定される
これが1番嫌なやつです。
派遣契約では月の作業時間が派遣先から決められます。
どんなに効率的に短い時間で成果が出ていようが基準時間を下回ると派遣先から支払われるお金は少なくなり、自社の利益も少なくなってしまいます。

逆にどんなに残業しようとも顧客が追加でお金を出さない限りは基準時間分のお金しか出さないのでこちらも人件費がかさんで自社の利益が少なくなってしまいます。

月の作業時間が一定もしくは稼働日が少ない場合はそれを考慮して少し少なくしてくれたら良いのですが、今現在、従事しているプロジェクトは月によってバラバラな作業時間が課されています。

時たま稼働日に休みなくフルで出勤しても定時の時間だと基準時間に満たないほどの作業時間を課せられることがあります。

作業が多ければそれでいいのですが、作業が比較的少ないときでもそんな感じなのです。

プロジェクト単体の作業時間ですので有給休暇はもちろん自社の会議なども作業時間はカウントされません。
私の場合、有給休暇取得して旅に出たりするので
毎月毎月、厳しい闘いを強いられています。

自社としては働き方改革の一端として有給休暇取得率を上げたいと思っていますが、派遣された社員は休めるなら休みたいけどここで休むと1日のノルマの作業時間が長くなる!となるのでなかなか有休が取りにくい状況になってしまいます。

有給以外でも自社の作業がちょくちょく入ったりするのでその時間を捻出するだけでも一苦労です。

私の場合、Excelで日々の作業時間を入力してそれを残りの稼働日で割って後、〇時間だ という風にガチガチに管理しています。

ここまでガチガチにしていかないと休んだり研修を受けたりすることができないのが現状です。

今の時代 作業の成果 > 作業に費やした時間
と思っているので、ある程度 成果が出ていれば基準時間を満たさなくて良いと思っているのですが
私の知らない企業経営の事情とかもあるのでしょうか?

いずれにしても短い時間で最大限の成果を発揮してあとは遊び呆けていたいので派遣契約の働き方は長くはできないと感じています。

ヘマをすると切られる
筆者ゆうひは幸いにもやらかして、「今月末でご退場願います。」と言われたことは無いですが
素行不良だったり、スキル不足、はたまた派遣先の意向とかで工程の途中にも関わらず契約を切られていった人を何度も目の当たりにしています。

自社の社員だとクビには余程な理由がないとできませんが派遣された人は条件にそぐわない場合はあっさりと切ることができます。

契約を切られた人は
何かしらの問題を抱えていた人が多いですが

自分自身も無自覚にやらかして「今月末でご退場願います。」と言われる可能性もあるわけですのでヘマをしないように細心の注意を払って作業をしています。

上記の内容が
IT業界を志望している方の参考になれれば幸いです。

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